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ここでいう「日本文学」は、いわゆる古典で、古事記あたりから徒然草あたりまでの有名どころがいくつかピックアップされている。
しかしそれにしても、漢文と並んで、古典は、現代語訳という作業が一つ入るため正直、お話の面白さというところまでいまいち読み込めてないところがあった。もちろん、訳し終えて文を見て「面白いだろうな」とは感じつつも、今回のこの本ほどは、面白さが分からなかった。

この本のいいところは、それぞれの物語の一番「面白いところ」をピックアップして要約してくれている。なおかつ漫画であるから、脚色というか少しオーバーにしてある分余計面白い。
中身を読んでいくと、どうも考え方というか、根本的な行動パターンや発想に現代と過去でそれほど大差がないということがわかる。
清少納言が「手紙(今で言うメール)って、送った後で『あ、あそこはああいう風に書くべきだった』とか気づくのよね」って言ってるとか、兼好さんが「最近読みにくい名前を子供につける人多いよね」って言ったとか、なんとなく話の中身を知っていたつもりでも、この本のように読みなおすと、うなずける点が多い。
また、男色の話が自然に出てきたり、なぜか、女装してスパイしたり刺殺したり、性に対して良くも悪くもおおらかというかゆるい感も見受けられる。BLとかコスプレとかの土壌があったということか?とか思いつつ、それが一つの物語の要素として普通に出てくる点に若干驚きもする。

時間の流れ方が今と違うということが、ある意味物語の雰囲気に影響を与えたのかもと思うけど、もちろん人の雰囲気もゆるいところがあるかもだけど、それはそれでその時代の良さでありその話の良さだと思う。そしてその時代の人がその当時の空気感を無意識に切り取っておいてくれたおかげで、今、当時を慮ることができるし、今の自分とのつながりを感じることができる。

堅苦しくないから、すんなり読めるし、理解しやすい。そして、1300年そこらじゃ大して人の考え方は変わらないということを痛感する。みんなに読んでほしい。だまされたと思って読んでほしい。たぶん、むしろ「古典」にはまると思う。
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キノの旅は毎回、不思議な雰囲気の漂う作品だった。どこか特定の国ではなく、ある特徴をデフォルメした、極端に強調した国がたくさん出てくる。その国々を、三日間という滞在期間の間に観察するという感じの作品(若干雑な要約だが)。その、物語的な雰囲気が好きで読み続けていた。

だから、というか、しかし、というか、今回はちょっとシビアな感じがした。ネタ元が分かりやすかったからか、それとも今までもあったが今回そのネタが分かるほどに自分がなったからか、話自体が今回シビアなものが多かったからか、どれかはわからない。
一方で、決して寓話的なタッチは変わらない。今回も結局、妙な感覚が残る。ふわぁっとした、落ち着かないような気持ち。そして、いつの間にか、キノは堂々と女の子であることが表記されている。まあ、学園キノも出てるのに、隠す必要がないけれど。

キノの旅は、決して底抜けに明るい作品ではなかった。でも、どす黒いわけでもなかった。ただ、影がある感じの、それも少し木陰に近いような影の、作品だった。今回その影が濃く見えた。この先、影は薄くなるんだろうか。薄くできるだろうか。いつもと違うもやもやが、今回は残る。

何ともふざけた本だ。いや、いい意味で、だ。こんなに、徹底的にコミカルに描かれた戦国史は、多分他にない。

世界史を取っていた自分にとって日本史は、漢字のオンパレードの、ノイローゼ必至の教科のイメージがある。
戦国史は特に大変そうだと思っていた。

ところがどっこい、誰が漫才をしろと、とツッコミを入れたくなるような、内容。もっとドロドロとして、地がドパーとでて、チャンチャンバラバラな様をイメージしてたのに、ギャグマンガを読まされている気分で読み終えた日にゃ、逆に罰が当たらないか不安になるくらい、すっかり笑わされる。

時代の流れに沿って、この、やり取りが展開されるため、楽しんでいるうちに、読み切ってしまうし、流れも掴むことができる。

日本史をしててもしてなくても、戦国時代が好きでもそうでなくても、それほど苦も無く読める。どちらにしても、ギャグとしてとらえた方がよいかもしれない。

最近ニュースを見てると、頭がこんがらがってくる。

「原発は問題ない!」「いや、危険だからすぐ止めろ!」
「TPPの会議に参加すべき! そうじゃないと交渉もできない!」「いや、会議に参加した時点でアウト!」

まあ、たいていこのニュースくらいなわけで。それに対して、どれだけの情報を自分が持っているかというと、まず、その時点で情弱必至。その少ない情報で、これらの意見を聞いて判断するのは、「本当は」難しいはず。

でも、結構、その難しいはずのことをしてしまっている。それも、理由は、

「周りの人がみんなそう言ってるから」とか
「なんとなくきっとこれのほうがいい」

みたいな理由になる。だから日本人は論理的思考ができない、と言われてしまう。

しかし、この本でも書かれているが、技術大国として高度経済成長を築いた日本。少なくとも理数ができてないと、なしえない。つまりちゃんと訓練すれば論理的思考は可能だ、という。その手段が書かれているのが本書だ。

内容は決して初見のものばかりではない。演繹だの帰納だのといった倫理の教科書にあったようなことが書かれている。
また、スタイルが、数学教師と中三の少年の会話のやり取りという形をとっており、数学の教師ならではの数学でのたとえが、使われたりと、思っていたよりもすんなり読めた。

小難しい言葉づかいも出てくるが、物事をよく噛み砕いて分析し、全体像を捉えやすくする、ということがよくわかった。

何かと、大事なこと程うやむやのまま流されがちなこの頃、もやもやした気分を整理する意味でも読んでみたい一冊。

最初のやつも、おもしろかった。もちろん、日本語を学びに来ている生徒の皆さんの、「真面目な言い間違い」が笑えてしまう、というのは確かにある。
でも、それよりも面白いのは、その言い間違いも交えながら質問している、その内容だ。「『すっぱ抜く』の『すっぱ』ってなんですか?」「『こんにちは』と『こんにちわ』どっちが正しいのですか」などの質問、「なんで漢字やカタカナひらがな、いろいろな表記があるのか」ということまでいろいろだ。ふだん気にも留めていないことだが、傍から見たらだいぶ謎なのだろう。
また、日本に興味を持った理由なども、多種多様で興味深い。任侠映画から入った人や、漫画から入った人。アニメに対する思い入れにお国柄が出るさま。ただでさえ、彼ら自体が興味深いのに、その彼らの質問は、それ以上に興味深く、着眼点が鋭い。
いちいち、笑わせてもらいつつ、たまに出る鋭い質問に読んでる自分もドキッとする。笑ってばかりもいられない。彼らの方が日本に造詣が深いというのは、ある意味、背筋のぞっとするようなものでもある。

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プロフィール
HN:
徒然なる館長
年齢:
39
性別:
男性
誕生日:
1986/05/09
職業:
大喜利見習い
趣味:
たましい大放出をやめないこと
自己紹介:
京都府民。よく「京都人」と言われるが、あれは「京都市(の一定区域内)に何世代も住んでいる京都市民」という意味であって、私がどこに住んでいようが「京都人」と呼ばれる日は無い。残念。
最近は、もはやマンガ読みな人になって、小説やら新書やらが読めてない。ぐわー。だから、このブログが消される危機に曝されたり結構愉快なことになってた今日この頃。もうちっと、ここで頑張らせていただきたかったり、いなかったり。(え
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