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ここでいう「日本文学」は、いわゆる古典で、古事記あたりから徒然草あたりまでの有名どころがいくつかピックアップされている。
しかしそれにしても、漢文と並んで、古典は、現代語訳という作業が一つ入るため正直、お話の面白さというところまでいまいち読み込めてないところがあった。もちろん、訳し終えて文を見て「面白いだろうな」とは感じつつも、今回のこの本ほどは、面白さが分からなかった。

この本のいいところは、それぞれの物語の一番「面白いところ」をピックアップして要約してくれている。なおかつ漫画であるから、脚色というか少しオーバーにしてある分余計面白い。
中身を読んでいくと、どうも考え方というか、根本的な行動パターンや発想に現代と過去でそれほど大差がないということがわかる。
清少納言が「手紙(今で言うメール)って、送った後で『あ、あそこはああいう風に書くべきだった』とか気づくのよね」って言ってるとか、兼好さんが「最近読みにくい名前を子供につける人多いよね」って言ったとか、なんとなく話の中身を知っていたつもりでも、この本のように読みなおすと、うなずける点が多い。
また、男色の話が自然に出てきたり、なぜか、女装してスパイしたり刺殺したり、性に対して良くも悪くもおおらかというかゆるい感も見受けられる。BLとかコスプレとかの土壌があったということか?とか思いつつ、それが一つの物語の要素として普通に出てくる点に若干驚きもする。

時間の流れ方が今と違うということが、ある意味物語の雰囲気に影響を与えたのかもと思うけど、もちろん人の雰囲気もゆるいところがあるかもだけど、それはそれでその時代の良さでありその話の良さだと思う。そしてその時代の人がその当時の空気感を無意識に切り取っておいてくれたおかげで、今、当時を慮ることができるし、今の自分とのつながりを感じることができる。

堅苦しくないから、すんなり読めるし、理解しやすい。そして、1300年そこらじゃ大して人の考え方は変わらないということを痛感する。みんなに読んでほしい。だまされたと思って読んでほしい。たぶん、むしろ「古典」にはまると思う。
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プロフィール
HN:
徒然なる館長
年齢:
39
性別:
男性
誕生日:
1986/05/09
職業:
大喜利見習い
趣味:
たましい大放出をやめないこと
自己紹介:
京都府民。よく「京都人」と言われるが、あれは「京都市(の一定区域内)に何世代も住んでいる京都市民」という意味であって、私がどこに住んでいようが「京都人」と呼ばれる日は無い。残念。
最近は、もはやマンガ読みな人になって、小説やら新書やらが読めてない。ぐわー。だから、このブログが消される危機に曝されたり結構愉快なことになってた今日この頃。もうちっと、ここで頑張らせていただきたかったり、いなかったり。(え
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