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お久しぶりです。やっと、新しい小説載せられます。
この作品は今日四月末日が締め切りの「電撃掌編王」に応募できたはず、の作品です。
「はず」というのは、メールの送信方法が意味不明で、適当にごまかして最後までやったんですが、エラーが出て……
結局送信できたのかわかりません。
ひとまず、皆さんに読んでもらいたいです。
コメントお願いします。

 夏期講習など嘘っぱちだ。あんなもの、効率の悪い勉強法の最たるものだ。
 学習に必要なものは、適度な室温、適度な時間、適度な内容の三つが大切だ。何事も「節度」が大事なのだ。
 ……とは言ったものの、所詮自分は学生の身。言われるがままに、一時間四十分という長丁場をクーラーの無い部屋で耐えねばならないのであった。
 それにしても、クーラーの無い部屋で、これほどにも勉強を強いてどうするのだろう。こんな無茶苦茶なことをして受験の時にダウンしてしまったら、責任は誰が取ってくれるのだろう。そもそもこんなこと誰が認めたんだ? やっぱり校長先生か?
 外では蝉が五月蝿く鳴いている。その中を運動系の部活が汗水たらして練習に励んでいる。どっちがマシ? と訊かれれば、当然部活の練習のほうがいい。暑くて空気がムッとしている中、教室でじっとしているくらいなら、外で走り回ったりしているほうがよっぽど健康的だ、というのが俺の考えだ。
 これも結局さっきの話と同様、自分一人の力でどうのこうのできることじゃない。いや、別に今から教室を飛び出してもいいが、それこそ入試のとき、今日のことが内申点にひびいたら、それはそれで困る。本当に学生はつらい。
 ただ百分座っているならまだしも、一番しんどい倫理の授業を受けるというのは、少なくとも俺にとっては、苦痛以外の何物でもない。
「ブッダこと、ゴーダマ・シッダールタは、母親の右脇から生まれ、すぐに七歩進んで天を指差し『天上天下唯我独尊』と言ったそうです。何年か経ったある日のこと。彼は外へ出かけようと東の門を出たところ、年老いたおじいさんがいました。南の門から出ると、病人がいました。西の門から出ると葬儀が行われていました。彼はこれらの人々を見て、人生は思い通りにならないことを悟り北の門から出ると、すばらしい僧侶がおりました。彼はその姿に感激し出家することを決めました」
 右脇から生まれるってどんなやつなんだ。それに、生まれてすぐ歩けるなんてあまりにもおかしいだろ。誰か一人でもいいから疑えよ。成長してからの話だってそうだ。そんなにうまく老人と病人と死人と、それに坊さんが四方の門に集結できるはずがないだろ。
 こんなにも突っ込みどころ満載の話を、真面目くさって授業しなくてもいいのに。そんなどこの誰かわからない人の話、社会に出てなんの役に立つんだよ。
 まだ一時間もある。
 それにしてもこの話、さっきも聞いた気がするけどなぁ……。
 あぁ、ものすごく眠たい。そりゃそうだ。こんなに暑くて、なのに、ダルい授業を聞かされているんだから、眠気は当然の反応だ。体は正直だ。
 ……先生が珍しく怒らない。まぁいいや。先生の声が遠くなる。蝉の鳴き声も五月蝿くなくなった。グラウンドの声はすでに聞こえない。
 
 どのくらい時間が経っただろう。もうそろそろ授業が終わるだろう。
「……では次、いきましょう。次は、ブッダです。ブッダこと、ゴーダマ・シッダールタは、母親の右脇から生まれ――」
 あれ? さっきも聞いたぞ。生まれてすぐ七歩歩いて、空を指差して『天上天下唯我独尊』って言ったって。大人になって、四つの門からそれぞれ出たら、老人病人死人、そして坊さんがいた。坊さんがあまりにすごくて出家した、って。
 おんなじこと繰り返ししゃべって、この先生、熱にやられたんじゃねぇのか?
 まぁいいや、まだ眠いし、もう少し寝ておこう。
 こんなに気持ちのいい居眠り、もしかしたら人生で初めてかも。すっげぇ気分がいい。このまま起きたくないなぁ……

 「……東の門を出たところ、年老いたおじいさんがいました。南の門から出ると、病人がいました。西の門から出ると葬儀が行われていました。彼はこれらの人々を見て、人生は思い通りにならないことを悟り――」
 目が覚めたらやっぱり最悪だ。何でこのオヤジは何度も何度も同じこと繰り返ししゃべってんだ? 今何時だと思ってるんだ? あれ? まだ一時間残ってる。時計止まってるんじゃないのか?
 ああ、もういい。こうなったら、一日寝てやるんだ。みんなが帰った後も寝てやる。寝ているほうがよっぽど気持ちがいい。
 何度もおんなじことを繰り返されてたら、こんな俺でも覚えてしまうじゃないか。
『ブッダこと、ゴーダマ・シッダールタは、母親の右脇から生まれ、すぐに七歩進んで天を指差し『天上天下唯我独尊』と言ったそうです。何年か経ったある日のこと。彼は外へ出かけようと東の門を出たところ、年老いたおじいさんがいました。南の門から出ると、病人がいました。西の門から出ると葬儀が行われていました。彼はこれらの人々を見て、人生は思い通りにならないことを悟り北の門から出ると、すばらしい僧侶がおりました。彼はその姿に感激し出家することを決めました――』
 それにしても何で、同じ状況が繰り返されるんだ?

            ●

 倫理の授業中に一人の生徒が倒れた。少年が病院に運ばれた時には既に脈は無かったという。

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なんだってー!
死んだんかいな(@皿@;)
まあ、小説読んだ限り、少し前半に状況を詰め込みすぎている感はあるかな。
途中から読み飛ばしそてしまったw
ちゃんと読んだけどねw
少しストーリーに力が無い、夏らしい情緒が無いところがそう感じるのかもしれない。
あと、夏なのにセミの声が気にならないのかなとあほな考え…
熱いだけしか感じられないかな。
李亀醒 URL 2007/05/01(Tue)09:57: 編集
次につながる貴重なコメントありがとうです
あはぁ、やっぱり数時間で書き上げた作品は滅茶苦茶でしたか。
ま、当然ですな。悩みに悩んで、結局最初に考えてたのと全く違う作品になったこの作品。これが、締め切り一週間くらい前なら、また違ったのかもしれないのですね。ああ無念。
黒尾のおやじだよ URL 2007/05/01(Tue)15:15: 編集
what?
こ、これが《や・お・い》の世界なのか……(あ、でも落ちはあるのか)

って最初はちゃんと書けてるから普通に読んでたのに、ループが始まってから読み飛ばしたくなったよ。電撃掌編王みたいな字数定まってるやつは内容が必要なんだから先生の言葉は省略すべきだと思う。もしくはループが既に始まってる状況から作品をはじめるとか。そして最後に幽霊になってた主人公の一言を入れるとかさ。あと、落ちが落ちてねえよ。なんだったんだよ。ストーリーがなくて主人公の一人語りで終始しちゃってますよ。

以上、感想でした。
ナギ×ナギ 2007/05/01(Tue)16:59: 編集
ん??
はじめまして!でんでんむしといいます。
これって、高校生かな??

主人公の年がどれくらいかによって、物語の雰囲気が変わってくるで。

最後のおちのつながりが分かりにくかったとも思いました。
あれ、(普通すぎるけど)あれ、ちょっと教室が暗い??とか入れるとちょっとわかりやすくなったと思います。

ただ、主人公がこんなことを考えているんやなというのはわかったで。
でんでんむし 2007/05/15(Tue)22:42: 編集
“オチ”つかなきゃ
やはりオチが問題でしたか。この調子だと、うまく届いていても、選ばれませんね。あと全体の感じがまだ下手くそでした。よぉし、今度はもっと丁寧に書くぞ!(?)
黒尾 2007/05/16(Wed)08:52: 編集
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HN:
徒然なる館長
年齢:
39
性別:
男性
誕生日:
1986/05/09
職業:
大喜利見習い
趣味:
たましい大放出をやめないこと
自己紹介:
京都府民。よく「京都人」と言われるが、あれは「京都市(の一定区域内)に何世代も住んでいる京都市民」という意味であって、私がどこに住んでいようが「京都人」と呼ばれる日は無い。残念。
最近は、もはやマンガ読みな人になって、小説やら新書やらが読めてない。ぐわー。だから、このブログが消される危機に曝されたり結構愉快なことになってた今日この頃。もうちっと、ここで頑張らせていただきたかったり、いなかったり。(え
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