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この本の著者、とも言える、高野悦子さんはすでに故人である。
老衰ではない。自殺である。
それも、大学生の間に、だ。

彼女は幼い頃、心臓に欠陥があると診断を受けた。が、後に何ともないとわかる、らしい。
何ともないとわかるのが遅かったらしく、それが一つ彼女の精神的な部分に影を落とした、とのことだ。

この「日記」は、彼女の誕生日から始まる。二十歳になったのをきっかけに日記をつける、という。
彼女はワンゲル部などにも顔を出しているようだが、大学闘争というか、全共闘とか、そういう時期の人のため、そういった闘争などの活動にも参加していた。

二十歳。恋もするだろう。実際、彼女が上司などに恋心を抱く姿も日記に書いている。
一方で、自分の容姿や、性格に悩む様子も度々見受けられる。
しかし別に普通だ。それだけなら。

正直、今の自分には当時の学生が普通に共有していた思想がよく理解できていないが、少なくとも、体制に対する抵抗、疑いを持っている様子はわかる。

彼女の個人の悩みと、当時の学生が感じていた鬱屈とした気持ち、そして、なぜか、闘争がなし崩しに丸め込まれた後の腑抜けたような空気。彼女が頼っていた人、信じていたもの、そういったものがすべて自分から離れていくような気分になったのかな、と足りない想像力で考えてみる。

決して分量は多くないのに一気に読むことはできなかった。しかし、重いわけでもない。
やるせない気持ちはあったが、気の引き締まる思いもあった。
時代的な物が関わっているものの、それでもやはり、今の自分は彼女ほどものを考えていないし、何かしらの行動も起こしてはいない。
今の自分は何か分かったつもりになって行動しないが、彼女はいろいろ知ったうえで、むしろ知ったからこそ、行動を起こした。今の僕は何も知ろうとすらしていない。そういう意味で、重くしんどい感想よりも、目の覚めるような思いがした。

革命をすればよいというわけではないが、まず自分から動き、自分で調べ、自分で考え判断する癖をいい加減つけなければと感じた。

タイトルのごとく、二十歳、少なくとも二十代の人にもっと読んでもらいたいと思う。
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プロフィール
HN:
徒然なる館長
年齢:
39
性別:
男性
誕生日:
1986/05/09
職業:
大喜利見習い
趣味:
たましい大放出をやめないこと
自己紹介:
京都府民。よく「京都人」と言われるが、あれは「京都市(の一定区域内)に何世代も住んでいる京都市民」という意味であって、私がどこに住んでいようが「京都人」と呼ばれる日は無い。残念。
最近は、もはやマンガ読みな人になって、小説やら新書やらが読めてない。ぐわー。だから、このブログが消される危機に曝されたり結構愉快なことになってた今日この頃。もうちっと、ここで頑張らせていただきたかったり、いなかったり。(え
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